
中国・インドネシア・トルコなどアジア諸国で、伝統的な影絵劇は今も継承されています。その中にあって、日本では、江戸時代(1603-1867)に著された文献に、写し絵という影絵文化があった事を伺い知ることができるほか、古くから庶民の遊びとして「手影絵」がありましたが、これは、両手の指を組み合わせて人や動物や日用品などの形を造り、壁や障子に写し出すという素朴な遊びの一種であったようです。
日本において、いわゆる「影絵劇」が生まれたのは今からわずか半世紀前のことです。テレビの創世記に影絵の実験放送が行われ、その後飛躍的な進歩を遂げました。
日本の影絵の基本的な照明方法は、3つのタイプに分ける事が出来ます。
劇団影法師では、1978年の劇団創立当初より、「影絵」こだわった独自のスタイルの公演を続けており、日本の現代影絵文化を代表する作品として、スーパーカゲエ「竹取物語」を製作し、現在世界9カ国、30都市での公演を成功させ、国内においても文化庁主催事業を始めとする数々の公演を成功させてきております。
また、劇団影法師が創出したオリジナルパフォーマンス「ボディシルエット」は、身体のすべてを使ってスクリーン上で繰り広げるニューパフォーマンスとして日本国内でも認知されております。
特徴としては、手影絵や指影絵のように一人一人が表現するものではなく、何人もの俳優が身体を組み合わせてあるものを造形したり、またそこにパントマイム的な芝居を加えたり、俳優がスクリーンから飛び出したり、影とのダンスなど豊かな表現へと展開していきます。
また、今まで美しい影絵の鑑賞型の舞台が主流であった「影絵劇」が、観客の想像力をかきたてる、「体験できる刺激的なパフォーマンス」といえるのもこの「ボディシルエット」の最大の魅力です。
劇団影法師は、「感動の積み重ねが最高の心の栄養源」と考え、今を生きる子どもたちの感性への訴えかけを常に考えながら、計画的に公演活動を続け、日本の影絵を常にリードしてまいりました。先駆的に国際共同制作(海外劇団とのコラボレーション)、海外公演を実施してきた成果を生かしている作品群、音楽と影絵の融合により生まれた音楽物語シリーズ、スケールの大きな人間の肉体によるボディ‐シルエットシリーズ。詩の朗読とスクリーンプレイなど、影絵の宿命と言われてきた「スクリーンの持つ平面性」を打ち破るべく、独自の最新鋭機材や舞台機構を駆使し、既存の影絵のスタイルにこだわらず、自由な創造力により導かれたダイナミックな舞台を創造しております。子どもたちの明日を見つめ、私たちの舞台が子どもたちの感性の芽を大きくふくらませることを、私たちはいつも願っております。
音楽物語-影絵劇に限らず、すべての演劇に音楽が果たす役割には大きなものがありますが、特に他のジャンルにはない、美しく幻想的な世界に観客を引き込んでいく影絵劇にとって音楽の重要性は高いものです。 影ぼうしの音楽物語に使われている音楽は物語全体の構成とともに組曲風に作られており、表情豊かに物語の案内役をつとめてくれます。
『音楽物語スイミー』 音楽はスイミーとともに海にもぐって旅をします。... 虹色のゼリーのようなくらげ。... 水中ブルドーザーみたいな伊勢えび。...スイミーが海の底で出会う楽しい影絵のキャラクターたちも素敵な音楽とともに美しい光の海にあそびます。



『音楽物語モチモチの木』 音楽は臆病な豆太が勇気を持って成長していく様子をやさしく見守っています。ときには、弱むし豆太をはやしたて、オバケの木になっておどかしたりしながら...そして、ジサマの急病にいよいよ豆太が勇気をふるいおこすと、音楽は、夜の道を豆太といっしょに走りだします...そしてそれは、光り輝くモチモチの木のテーマへとつづいていきます。



「マジカルシャドウプレイ」は劇団影法師がいち早く創出したオリジナル・パフォーマンスです。身体のすべてをスクリーンに表現するボディ‐シルエット劇を子どもたちが名づけてくれました。
ボディ‐シルエット "シルエットマイム"は、俳優たちが、自分たちの肉体を使って表現します。それは手影絵や指影絵のように一人一人が表現するものではなく、何人もの俳優が身体を組み合わせて、あるものを造形したり、またそれにパントマイム的な芝居が加わったり、俳優たちがスクリーンの中から観客の前にとび出てきたり、さらに豊かな表現へと展開していきます。
今まで美しい影絵を追求するあまり観客にとっても受け身であることの多かった影絵劇が、観客の想像力をかきたてて、新しい創造のエネルギーにつながるような刺激的なパフォーマンスです。
シルエットマイム「このゆびとまれ!」
人間のからだ、ボディそのものの影がアッという場面を生き生きと舞台に生みだします。



シルエットマイム「ぐう・ちょき・ぱあ」
俳優がボディのシルエットを組み合わせ様々な物をスクリーンに生み出します。また、スクリーンの前の表舞台でも俳優が演じます。スクリーンをはさんで影と俳優が物語を演じます。



ボディ‐シンフォニー「春・夏・秋・冬」 地球に住むいのちの春・夏・秋・冬の四つの物語からなります。ボディ‐シンフォニーの集大成版。ボディ‐シルエットの様々な表現に出会うことがでみます。



