大型人形劇

大型人形劇ミュージカル「里見八犬伝」

「三国志」に続き、川本喜八郎の人形たちが贈る、
ジェームス三木脚本/演出/作詞による渾身の一作!

日本を代表する人形作家、川本喜八郎が残した大型人形たち
誰もが思い浮かべる典型的な登場人物像を具現化したその精緻な表情や本格的な衣装の大型人形たち、今回は「人形劇ミュージカル」人形たちが見栄を切り、歌い、迫力をもって見る者を圧倒します。

【STORY】
室町時代、足利将軍の御世。
里見義実の館山城は落城寸前。「敵の大将の首をとってきたものにはわが娘、伏姫を与える。」という義実の言葉を信じて雑兵(八房)が敵の大将の生首をとってきます。「あれは皆の士気を鼓舞せんがため...」という義実に、伏姫は「領主の言葉には千金の重みがございます。」と、八房とともに森の奥へと姿を隠します。
二年後家臣たちは、矢を射かけて八房を討ち取りますが、流れ矢によって伏姫の命も奪ってしまいました。困った家臣たちは「八房は山犬の化物」ということにして、遺された八人の子どもたちを遠くの寺と村に里子に出してしまいました。
二十年の時が過ぎ、不思議な因縁に導かれるようにからだに牡丹の痣、水晶の玉を持った八人の若者たちが次々と巡り合います。まさに、ここに八犬士が勢揃い。いよいよ八犬伝のクライマックス「関東大戦」で関東の豪族連合軍に対し、八犬士が八面六臂の大活躍でこれに立ち向かいます。さてさてかたい絆で結ばれた勇士達の運命はいかに。

【上演時間】
1時間40分(休憩なし)

【主なスタッフ】
原作:曲亭馬琴作「南総里見八犬伝」、脚本・作詞・演出:ジェームス三木 、作曲:川崎絵都夫、人形美術:川本喜八郎・伊藤行也 、人形指導:伊東万里子 、振付:和田覚 、監修:里見香華 、プロデューサー:山崎靖明

【「シッポがあれば」ジェームス三木】
曲亭馬琴の大長編娯楽大作『南総里見八犬伝』は、徳川時代に書かれ、空前の大ヒットとなった。だが化け犬や化け猫がやたら登場し、興味本位のおどろおどろしさで読者を引っ張る手口に、私はあまり好感を持っていなかった。特に冒頭は、水晶の玉が八方に飛び散り、八人の剣士になるくだりは、あまりにも荒唐無稽である。
制作の山崎氏から、八犬伝を人形劇でといわれたときは、正直いって腰が引けた。だが敬愛する川本喜八郎さんの作った人形が、二十体ほど残されていて、足りないぶんは伊東万里子さんたちが作るという。 人形劇『三国志』を、一緒に手がけたときの川本さんの言葉を思い出す。
「人形は俳優と違って、たったひとつの役のために生まれてくるんです。役柄に文句はいわないし、ギャラは請求しないし、宿賃も食費もかかりません。可愛いもんですよ。」 昨年他界した川本さんのためにも、人形たちをこのまま眠らせてはおけない。私は原作を読み返して、現代の若者にも通じる〔今日性〕を探ることにした。
まずハッと気付いたのは臓器移植である。死者の臓器が、水晶の玉のように飛び散り、複数の生命の中によみがえる現実である。ひょっとすると川本さんの臓器も、人形にかたちを変え、観客の胸に深く、よみがえるのではないか。たとえはよくないが、ビン・ラディン亡き後のアルカイダも、原発事故による放射線物質も、世界各地に拡散する恐れがある。意外や意外、曲亭馬琴は未来を見通していたのかも知れない。 語り口としてミュージカルを思いついたときは、嬉しくて、シッポがあれば振りたい感じであった。人形たちが口パクでコーラスする姿は想像しただけで楽しい。自分でいうのもなんだが、さわやかな会心作に仕上がったと思っている。

【制作にあたり】
未曾有の震災や原発事故をはじめ、政局の混乱等、今の世の中の不安の種は尽きません。また、昨今の事件には、日本人の道徳観の変化を感じざるをえません。このような社会状況の中、私たちは、江戸時代から人間の良心や、善悪の基準を示してくれたかっての英雄たちの復活が、現状を打ち破る大きなヒントになると考えました。
そして今回、22年のロングラン、世界200万人を魅了した大型人形劇「三国志」の実績を生かし、大型人形劇ミュージカルとして、「里見八犬伝」を蘇らせることにいたしました。日本文学の金字塔とも言われる曲亭馬琴作「南総里見八犬伝」の根底に流れる、八剣士の"絆"こそ、今求められていると思います。ジェームス三木氏に脚本だけでなく、作詞、演出まで携わって頂き、人形劇の枠を超え、ミュージカルとしても楽しんで頂ける舞台です。もちろん、「三国志」同様日本を代表する人形美術家、川本喜八郎氏のオリジナル人形が大活躍する本公演にどうぞご期待下さい。

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日中合作 大型人形劇「三国志」

三顧の礼、赤壁の戦い、甘露寺の宴、出師の表、空城の計、五丈原など数々の名場面を1m20cmの大型人形が演じる三国志作品の決定版

■第一幕 三顧の礼より赤壁の戦いまで

中国は後漢末。乱れに乱れた国を憂い人々を苦しみから救おうと志す劉備玄徳は、心を同じくする関羽、張飛と義兄弟の契りを交わし群雄が覇権を争う中原へと躍り出た。・・・・・三顧の礼をもって迎えられた諸葛孔明は、天下三分の計を進言した。

208年、華北を制した曹操が江南を平らげようと7月に50万の兵を率いて南下を開始した。一方、江東に勢力を伸ばしていた孫権は、この報に驚き、文官武官を集めて、降伏するか戦うかの会議を始めた。文官のほとんどは降伏を主張していたが、そのころ劉備の軍師だった諸葛亮が訪問し、魯粛も主戦論に偏っていたためにこれを利用し、孫権の説得を始める。兄孫策の義兄弟でもある周瑜も後からやってきて主戦論を主張したために孫権は降伏派を一蹴し戦うことを決める。このとき孫権は自分の机を刀で切りつけ、「これより降伏を口にした者は、この机のように斬り捨てん」と言ったという。当初、周瑜は魏に降伏する考えであったが、諸葛亮から曹操が作った詩で「二喬」(自分と義兄弟の孫策の妻)を欲しがっていると聞かされ、怒って孫権に対して戦うようにと主戦論を主張した。

両軍は、長江に沿う赤壁で対峙した。周瑜は大軍を有する曹操を相手にするには火計しかないと判断し、周瑜は計略を使い、荊州水軍の要である蔡瑁を謀殺する。蔡瑁謀殺後に曹操の策によって偽りの降伏をしてきた蔡瑁の甥の蔡中・蔡和に対して偽情報を曹操軍に流させるなど大いに利用した。そして、苦肉の計を用いて、黄蓋に偽の降伏を申し出させ曹操軍内に下らせた。また、火計を効果的にするために、当時在野にいた龐統を使い、曹操に対して船上ですぐに酔ってしまう兵士達のためにと船同士を鎖でつなげる「連環の計」を進言し実行した。機は熟したとばかりに黄蓋が藁を積んだ船に火をつけさせ火計を実行、「連環の計」で互いの切り離しが間に合わない曹操軍の船は次々と炎上する。

■第二幕 出師の表から五丈原まで

大敗を喫し病に倒れた劉備玄徳の遺言を枕元で聞いているのは、かつて劉備玄徳自信が三顧の礼をもって迎えた孔明である。 蜀では関羽、張飛もすでに亡く、劉備が蜀の未来を託した孔明は劉備の息子劉禅を皇帝の位につけ、関羽の息子の関興、張飛の息子張苞らがこれを支えていく。 魏の曹操もすでに世を去り、弱年の曹叡が後を継ぎ、名将司馬懿仲達がこれを助けている。 孔明と仲達、二人の知略戦略が火花を散らす。仲達の率いる大軍が、わずかな兵の残る孔明の城に攻め寄せてくる。孔明は部下にすべての城門を開けさせ、自分は城壁の上で悠然と琴を弾きはじめた。攻め込もうとした仲達は戸惑った・・・・"孔明に策あり"仲達は全軍を退却させた。孔明の〝空城の計〟である。やがて、孔明は自ら陣頭にたって劉備の悲願であった天下統一と漢室再興のために、魏討伐の兵を挙げる。出陣に際し、孔明は劉禅に上奏文を奉呈する。世に名高い出師の表である。

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登場人物「人形」の紹介

劉備(りゅうび)
字は玄徳。漢の中山の靖王の末孫。黄巾の乱にさいして関羽、張飛とともに挙兵。軍師諸葛亮の助けを得ての主となる。
関羽(かんう)
字は雲長。劉備に兄事する。文武両全の名将。信義に厚く、大薙刀をとっては天下無敵。
張飛(ちょうひ)
字は益德。劉備、関羽に兄事する。粗野で無鉄砲ながら一本気で純粋。三国屈指の豪傑。
趙雲(ちょううん)
字は子龍。劉備に仕え長坂破で単騎百万の敵中を突破、幼主阿斗を救出した英雄 。
糜夫人(びふじん)
劉備の側室。長坂破で趙雲に阿斗を託した後、古井戸に身を投じ壮絶な最後をとげる。
甘夫人(かんふじん)
劉備の正室。長子阿斗の母親でもある。
諸葛亮(しょかつ りょう)
字は孔明。襄陽郊外の隆中に隠棲中すでに天下三分の計をたて、劉備の三顧の礼にこたえて出廬、非力の劉備を助けて蜀を建てる不世出の奇才。
曹操(そう そう)
字は孟徳。「乱世の奸雄、治世の能臣」といわれ、権謀術数にたけた文武両全の英雄。幕下に多くの人材を集め、天機をつかんで中原を統一、魏王となる。魏の武帝。
夏侯惇(かこう とん)
字は元譲。曹操挙兵以来の部将。呂布征伐の際、流れ矢が左眼につきささり、抜きとる時に目玉まで抜けてしまった。「これは父の精、母の血」と、呑みこんでしまったというエピソードを持つ。
曹仁(そう じん)
字は子孝。曹操の従弟。曹操に従って転戦数々の戦功をたてた武将。
蒋幹(しょう かん)
字は子翼。赤壁の戦いで、曹操軍のスパイとして呉の周瑜のもとに送りこまれるお調子ものである。
孔融(こうゆう)
字は文挙。孔子二十世の孫。
張遼(ちょう りょう)
字は文遠。もと呂布に仕えた曹操の部将。
李典(りてん)
字は曼成。作戦画でも高い知見を示す曹操の部将。
蔡瑁(さいぼう)
荊州劉表の寵臣。劉表の後妻蔡夫人の弟。赤壁の戦いでは張允とともに曹操の水軍の指揮官となる。
徐庶(じょしょ)
字は元真。諸葛亮の学友。はじめ劉備の軍師、母親を人質にとられやむなく曹操に仕える。
龐統(ほうとう)
字は士元。諸葛亮と並び称される知恵者。
蔡夫人(さいふじん)
荊州の劉表の後妻。劉表の死後、弟蔡瑁や張允のバックアップを受け、長子劉琦をしりぞけ劉琮を後継ぎにする。
周瑜(しゅう ゆ)
字は公瑾。孫策の義弟。孫権を助け、呉の大都督として赤壁の合戦で威名を馳せる智将。

小喬(しょうきょう)
周瑜の妻。孫策の妻大喬の妹で、この二人の美貌は曹操に銅雀台の賊を作らしめた。
孫権(そんけん)
字は仲謀。呉の大帝。父兄の業をついで江東に人材を集め、魏・蜀につづいて呉を建てる。
魯粛(ろ しゅく)
字は子敬。孫権の幕僚。
黄蓋(こうがい)
字は公覆。孫堅、孫策、孫権の三代に仕えた名将。
張昭(ちょうしょう)
字は子布。孫権の幕僚。
甘寧(かん ねい)
字は興覇。長江の盗賊出身の孫権の部将。
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